ひかり塾BLOG

やばい、やばくない?

date.2016.07.07

■「やばい」は便利

先日の生徒の会話からピックアップ。

とある高校の体験入学内容が「動物とのふれあい」、「バター作り」など面白そうな企画満載で、そこに行く予定の生徒が「やばくない?」とテンション高々に話していました。

「やばい」はもともと好ましくない事象や結果に対して使われていましたが、今では多様な意味で使われていますね。今回の「やばくない?」も「楽しそうじゃない?」という意味で使われたのでしょう。

“良い”にも“悪い”にも使えるとなるとこれ一つで様々な場面で使用できるので便利な言葉ですね。ただ聞く側が“良い”なのか“悪い”なのか正しく判断してくれるかどうかに依存してしまいますが、表情を見ればおおよそ分かりますし、それで困るという経験もほとんど無いのでやはり便利です。(便利すぎてやばいw)

あまりに使い勝手が良いので頻繁に使われている言葉ですが、正確性という点では物足りなさがありますね。「素晴らしい・楽しい・とても・危険・不都合・驚異的」など、より正確に表現できる言葉があるはずです。作文で「やばいと思いました。」と書いたならば幼稚な感じがするので別の言葉で表現したいところですね。


■語彙力と思考力

ふくしま国語塾の福嶋隆史先生は著書で「『分ける』ことこそ『分かる』こと」と述べています。なるほど。ものごとを理解するということは「本質」と「そうでないもの」に区別していくということでしょうか。それを「言葉」で分けていく。冒頭の「やばい」は「楽しい」であって「素晴らしい・危険・不都合・驚異的」ではないな、と。

語句の知識が豊富であればそれだけより正確に区別でき、理解や表現することにつながりそうですね。「あの番組は面白かった」の「面白い」も「興味深い」や「滑稽」という言葉を知っていれば、より意味を明確にできます。

考える力をつけていくためには、まず語彙力を上げていく必要があるようです。日常会話以上の語句は意識していなければ増えていかないでしょう。意識的に新しい語句に触れる機会を増やしていかなければいけません。「やばい」の様な多義に表現できる言葉は便利ですが、それに頼りきっていると将来的に「やばい」ですよ、きっと(笑)


■語句を調べよう!

ということで、語彙力を上げるべくいくつか辞典を購入してみました。ときどき生徒に言い換え問題に挑戦してもらっています。中には私も答えられないものもあるので、まずは自分自身が勉強しなきゃ……(苦笑)

夏休みの課題の作文にも役立つこと間違いなしなので、ぜひ活用して欲しいところです。言葉数を増やして今までよりワンランク上の作文を!